親族等が死亡した後、故人が所有していた物の整理、処分等を事業者に依頼する、いわゆる「遺品整理サービス」は、核家族化や高齢者の独居世帯の増加という社会の変化の中で注目されています。しかし、全国の消費生活センター等には、「高額な追加料金が発生した」、「処分しない予定の遺品が処分された」など、料金や作業内容に関する相談が寄せられています。
そこで、大切な遺品をトラブルなく整理、処分等をすることができるよう、遺品整理サービスに関するトラブルについて事例を紹介するとともに、消費者への注意喚起と関係機関への情報提供を行います。
A.相談事例
1.見積りの際にせかされて契約したが、作業が始まらないので解約したい。
2.解約を申し出たら高額なキャンセル料を請求された。
3.作業時に予定外の料金を請求され、最終的に見積金額の2倍の費用を請求された。
4.処分しないようにと頼んだ物を勝手に処分された。
B.相談事例からみられる問題点
- 契約内容について十分な検討をしないまま契約しトラブルになることがある。
- 高額なキャンセル料を請求されることがある。
- 作業当日、追加料金を請求されてトラブルになることがある。
- 残しておくはずの大切な遺品を誤って処分されるなどサービス内容によってトラブルになることがある。
- 一般廃棄物処理業の許可を持っていなくて不法投棄された。
C.依頼者へのアドバイス
1. 各県の公安委員会から交付された古物商許可を持っている事業者であることを確認しましょう。
2. 一般廃棄物処理業の許可を持っているか、または連携しているかを確認しましょう。
3. 複数の事業者から見積りを取るなど、依頼先の選定は慎重に行いましょう。
4. 作業内容や費用を明確に出してもらうなど、見積書の内容を十分に確認しましょう。
5. 料金やキャンセル料、具体的な作業内容について事前に確認するようにしましょう。
6. 残しておく遺品と処分する遺品を明確に分けておくようにしましょう。
7. 事業者とトラブルになった場合には消費生活センターに相談しましょう。