後見の社にご相談をいただき、その改善を支援した事案のなかから、高齢者についた後見人による理不尽なケースを紹介します。
すべて、本人や家族、場合によっては後見人に著者も会って確認した案件です。高齢者と接することの多い地域包括支援センターの職印やケアマネジャーの皆様、これでも法定後見制度の利用を勧めますか。老親のお金のことでもめているご家族の皆様、これでも親に後見人をつけますか。
「成年後見制度の落とし穴」著者 宮内康二 発行元 株式会社青志社
逃げるように辞めていった後見人
職場で倒れたご主人の後見人の司法書士から、こんなことを言われたという苦情が寄せられました。
「なぜ貯金が少ない? 普通は1年で百万円は貯めるものだ」
「生命保険は意味がないから解約しなさい」
「携帯電話も必要ないから解約するように」
「奥さまは車の運転をしないように、事故を起こすと保険料が上がるので」
「甘いものをご主人が食べたいと言っても無視しなさい」
「奥さまは雑誌や美容院を控えるように、いずれもご主人のお金なので」
「ご主人の介護のために同居しているという娘夫婦は出て行ってもらってください」
「ご主人に意思がないから一生離婚できません」
「温泉旅行に行くと体調が良くなるというならそういう診断書を医者からもらってきてください、それがあればご主人の旅費だけは出します」
「ご自宅のトイレ、ご主人は使わないから改修費用は出しません」
「支払ったという香典の領収証があれば清算します。領収証がないなら払えません」
「地震で倒壊した墓を修理する必要なんてあるのですか?」
長年ご主人に連れ添った奥さまにポッと出の後見人が言うことでしょうか?
奥さまは今も傷つき続けています。
奥さまに懲戒請求された司法書士は、逃げるように後見人を辞めたものの、地域で成年後見に関する講座の講師をしているようです。このような人物が後見制度の何を教えるのでしょうか。「被後見人の配偶者を怒らせる方法」なら得意かもしれませんが、そんな内容は後見講座のカリキュラムにないし不安です。
成年後見制度に関する講座を主張する自治体や社会福祉協議会は、講師を選ぶにあたり、どのような実務をしているのか、苦情や懲戒請求を受けていないか等について調べないと講座を受講する住民から苦情を受けることになるかもしれません。